ハイブリッドシステムは、電気モーターとガソリンエンジンという2つのパワーのシナジー(相乗)効果により、優れた動力性能と低燃費化の両立を高い次元で実現したシステムです。さらに、排出ガスを低減、クリーン化した環境に配慮した技術となっています。

警告

ハイブリッド車は電気モーターでの走行時にエンジン音がしないため、周囲の人が車両の接近に気が付かない場合があります。車両接近通報装置が作動していても、周囲の騒音などが大きい場合は車両の接近に気が付かないことがありますので、十分注意して運転してください。

停車時/発進時/低速走行時

停車中はガソリンエンジンを停止します。

発進時は電気モーターを使って発進します。

低速走行時や下り坂走行時もガソリンエンジンを停止 し、電気モーターを使って走行します。

シフトポジションがNにあるときは、駆動用電池への充電が行われません。

通常走行時

主にガソリンエンジンを使用して走行します。

必要に応じて電気モーターを発電機として動かし、駆動用電池へ充電します。

知識

ガソリンエンジンが自動停止しないおそれのある状態

車両状態に応じて、ガソリンエンジンは自動的に始動/停止しますが、次の状態では自動停止しないことがあります。

  • ガソリンエンジン暖機中
  • 駆動用電池充電時
  • 駆動用電池の温度が高いとき、または低いとき
  • 暖房をかけているとき

急加速時

アクセルペダルを強く踏み込むと、ガソリンエンジンに加え、駆動用電池からも電気モーターに電力を供給し、電気モーターの出力を上げ、力強く加速します。

減速時/制動時(回生ブレーキ)

車輪が電気モーターを発電機として動かし、駆動用電池へ充電します。

知識

回生ブレーキのはたらき
  • 次の場合、車の運動エネルギーを電気エネルギーに変換し、駆動用電池へ充電すると共に減速力を得ることができます。
    • シフトポジションがDまたはSで走行中に、アクセルペダルから足を離したとき
    • シフトポジションがDまたはSで走行中に、ブレーキペダルを踏んだとき
EVインジケーター

ガソリンエンジン停止中や、電気モーターの動力のみで走行しているときに、EVインジケーターが点灯します。

カスタマイズ機能により、EVインジケーターの作動/非作動を設定することができます。

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ハイブリッド車特有の音と振動について

ハイブリッド車は、「READY」インジケーターが点灯し、走行可能な状態でも、通常の車のように、エンジン音や振動がないことがあるため、走行可能な状態であることに気が付かない場合があります。安全のため、駐車時は確実にパーキングブレーキをかけ、シフトポジションをPにしてください。

ハイブリッドシステム始動後は、次のような音や振動が発生する場合がありますが、異常ではありません。

  • エンジンルームからのモーター音
  • ハイブリッドシステム始動時や停止時に聞こえる車両後方および駆動用電池からの音
  • ハイブリッドシステム始動時および停止時に車両床下もしくは後方から聞こえる「コトン」、「カチッ」などの高電圧リレーの音
  • バックドアを開けたときに聞こえる作動音
  • ガソリンエンジンの始動/停止時や低速走行時、およびアイドリング中にトランスミッション付近から聞こえる「コツコツ」、「カタカタ」という音
  • 急加速時のエンジン音
  • ブレーキペダルを踏んだときや、アクセルペダルをゆるめたときに聞こえる回生ブレーキの音
  • ガソリンエンジンの始動/停止による振動
  • リヤシート下部にある吸入口から聞こえるファンの音
メンテナンスや修理/廃車

車のメンテナンスや修理/廃車の際は必ずレクサス販売店にご相談ください。特に廃車する場合は、レクサス販売店を通じて駆動用電池の回収を行っていますので、ご協力ください。

システムの構成部品

警告

駆動用電池の取り扱いについて、次のことを確認してください。

  • 絶対に転売/譲渡/改造などをしないでください。廃車から取りはずされた駆動用電池は事故防止のため、レクサス販売店を通じて回収を行っていますので、ご協力ください。

    駆動用電池が適切に回収されないと、次のようなことがおこるおそれがあります。

    • 不法投棄または放置され、環境汚染となるばかりか、第三者が高電圧部位に触れてしまい、感電事故が発生する
    • 装備された車両以外で駆動用電池を使用(改造などを含む)し、感電事故、発熱/発煙/発火/爆発事故、電解液漏出事故などが発生する

      特に、転売/譲渡などを行うと、相手にこれらの危険性が認識されず、事故につながるおそれがあります。

  • お車を廃棄するときには、レクサス販売店で駆動用電池を廃棄してください。駆動用電池を取りはずさないままでお車を廃棄された場合、高電圧部品/ケーブル/それらのコネクターにふれると、深刻な感電の危険があります。

    駆動用電池は適切に廃棄しないと、感電を引き起こすおそれがあります。

注意

駆動用電池周辺に多量の水をこぼさないよう注意してください。

誤ってこぼしてしまったときは、レクサス販売店で点検を受けてください。

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イラストは説明のための例であり、実際とは異なります。

  1. ガソリンエンジン
  2. ラベル
  3. 高電圧ケーブル(オレンジ色)
  4. 駆動用電池
  5. リヤ電気モーター(AWD車)
  6. サービスプラグ
  7. フロント電気モーター
  8. パワーコントロールユニット
  9. エアコンコンプレッサー

知識

駆動用電池の充電

ガソリンエンジンの動力による充電や回生ブレーキにより、駆動用電池が充電されるため、車外からの充電は必要ありません。しかし、車両を長時間放置すると、少しずつ放電します。そのため少なくとも、2~3ヶ月に一度、約30分間または16kmほど運転してください。

万一、駆動用電池が完全に放電し、ハイブリッドシステムを始動できないときはレクサス販売店にご連絡ください。

補機バッテリーあがり発生後や、交換などでターミナルを脱着したとき

ガソリンエンジンの自動停止が行われないことがあります。

自動停止しない状態が2~3日続く場合は、レクサス販売店へご連絡ください。

駆動用電池の寿命

駆動用電池には寿命があります。寿命は車の使い方、走行条件により異なります。

極寒の環境でのハイブリッドシステム始動

外気温の影響により駆動用電池の温度が著しく低くなっている場合(約-30 ℃以下)、ハイブリッドシステムが始動できなくなることがあります。その場合は気温の上昇を待つなど、駆動用電池の温度が上がってから再度始動操作をしてください。

適合宣言

この車両は、ECE100(バッテリー電気車両安全)に基づいた水素排出量に適合しています。

車両接近通報装置

ガソリンエンジンが停止した状態での走行時、車両の接近を周囲の人に知らせるため、車速に応じた音階で音を鳴らします。この音は、車内にも聞こえることがあります。車速が約25km/hをこえると消音します。

知識

車両接近通報装置の通報音

次のような場合は、周囲の人に通報音が聞こえにくくなることがあります。

  • 周囲の騒音が大きい
  • 雨または強風

先読みエコドライブの機能とはたらき(ナビゲーションシステム装着車)

本システムは、これから走る道路の交通情報や走行状況をもとに作動し、優れた実燃費に貢献する機能です。先読みエコドライブの詳細については、別冊「‍マルチメディア取扱説明書‍」を参照してください。

先読み減速支援

ナビゲーションシステムに登録された先読み減速支援地点に車両が近づくと、アクセルペダルを離したあとに、走行状況に応じてエンジンブレーキ力を高め、より効率的に駆動用電池を充電します。

先読みSOC制御

ナビゲーションシステムでのルート案内中、電力を効率よく使用して走行するために、経路や交通情報といったデータをもとに、次のような制御が働きます。

  • 途中に長い下り坂がある場合は、下り坂手前から駆動用電池の残量を減らしておくことで、下り坂走行中の回生ブレーキによる充電容量を確保します。
  • 渋滞が予想される場合は、渋滞路での駆動用電池残量の低下により、強制的にエンジンをかけて充電する頻度を減らすために、渋滞の手前から駆動用電池の残量を確保しておきます。

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